松岡真理さんの健康に関するコラムサンクスデイズ・スタイルでは、さまざまなジャンルの達人たちが団塊世代の毎日をさらに輝かせるヒントをコラム形式でご紹介します。

岸朝子・食コラム|サンクスデイズ・プラチナ

永遠の感謝を、プラチナに刻んで

Thanks Days Style:松岡 真理 フリーライター

カラダの健康とココロの健康。団塊世代のふたりの暮らしを楽しむための大切なテーマです。毎回あらゆる角度からわかりやすく提案します。

第2回 アンチエイジングは食生活と運動にあり

医療や健康分野の最新情報を、いちはやくキャッチするライターの松岡真理さん。今回は熟年世代の最大の関心ごとのひとつ「アンチエイジング」について、アドバイスします。世界の医療界でアンチエイジングはどうとらえられているのか、そして熟年世代は何をすればいいかをお伝えします。

アンチエイジングとは、老化の速度を遅くすること
ここ数年、医学や美容の情報で「アンチエイジング」という言葉を耳にしますが、正しい意味を教えてください。

一般的にアンチエイジングの意味で、「抗加齢」「抗老化」などと言われています。でもここでちょっと言葉の意味をよく考えてみてください。加齢には逆らうことはできませんが、老化を遅くすることはできますよね。ですから今、多くの医師や専門家は「抗老化」という方向で統一化しつつあります。つまり、老化のスピードを遅くして、いつまでも若々しく健康で生きていこうという意味で、アンチエイジングをとらえ、外見の若さだけでなく生活全般から見直していこうという動きが起こっています。そのための大きな柱になるのは、「食事」と「運動」です。

「活性酸素」の存在を知り、対策を
そもそも、老化の原因は何なのでしょうか?

老化の原因は多々ありますが、病気や不調を引き起こす原因として医学界が注目しているのは「活性酸素」(英:フリーラジカル)です。これは、体内に取り入れた酸素の中で使われなかったものが、体内に残って悪さをするというもの。まず、活性酸素を簡単に説明します。人体は、呼吸によって体内に取り入れた酸素で食べ物を燃やし、エネルギーを作り出します。このとき、使われた酸素は水素と結合して水になって排出されます。しかし、2%ほどの酸素は水素と結合せずに、活性酸素になり体内に残留。活性酸素はウィルスや細菌の侵入を防御し、殺菌や消毒をする働きがあります。しかし、年齢が上がるにつれ、活性酸素は蓄積される一方に。それに加えて新たに発生し続けていきます。体の中に活性酸素が溜まっていくと、細胞や血管、遺伝子までも傷つけ、老化を進行させていくのです。血管や細胞がダメージを受けると動脈硬化、心臓疾患などに発展します。その他にも多くの病気を引き起こす原因とされているのです。もちろん、活性酸素をやっつける白血球や酵素などのプロテクターも体内には存在しますが、年齢とともにその働きは低下します。

活性酸素を減らすために有効な食べ物とは?
活性酸素を体内から減らすための有効な手段を教えてください。
デザイナーフーズ・ピラミッド。ガン予防効果の高い食品40種類を、効果の高い順にピラミッド状に示してあります。
デザイナーフーズ・ピラミッド。
ガン予防効果の高い食品40種類を、効果の高い順に
ピラミッド状に示してあります。

活性酸素を減らすことに効果的といわれている、ピーマン、ニンジン、セロリなどの色の濃い野菜を積極的に食べることと、ネギ、ショウガ、タマネギ、ニンニクなど香りの強い野菜を食べることです。これは、1990年代から、アメリカ国立ガン研究所を中心として行われた大規模疫学調査「デザイナーフーズ計画」の結果を受けて、多くの栄養士や医者がガンや成人病予防のために勧めています。デザイナーフーズ計画は、野菜などの植物性食品とガン予防を科学的に解明することを目的にして行われ、3万人以上の調査を重ねた大規模なもの。その調査の結果、ガン予防に効果が高いとされる約40品目の食品が発表されました。これを、重要度別にランキングしたものを「デザイナーフーズ ピラミッド」と呼んでいます。
この上位にある食品は、香りが強く食物繊維が豊富なものばかり。私たち日本人が、本能的に「体にいい」と思って食べていたものも多く含まれています。

玄米、全粒粉パンetc.精製していない食べ物も効果的
仕事、趣味、家事などに追われ、外食もしばしば。なかなか野菜を食べる機会がないのが、一般的な現代人のライフスタイルですが…。
温野菜は加熱することで量が減るので、一度に多くの野菜を食べることができます。
温野菜は加熱することで量が減るので、
一度に多くの野菜を食べることができます。

確かに、現代人は野菜不足です。でも、その一方で「私は野菜を意識して食べています」という人も増えています。この矛盾の原因は「サラダ」にあります。コンビニで手軽に買えますし、定食にサラダを付け合わせるお店も増えています。サラダは野菜を食べた気にはなりますが、実際に食べている量はほんのわずかです。また、多くのお店では衛生上の問題を考え、サラダ用の野菜をよく洗います。さらにシャッキリした歯ごたえを考えて、切った野菜を水にさらすお店もあります。こうすると、大切な栄養分がすべて水に流れてしまいます。理想は、さっと湯をくぐらせた野菜を、たっぷり食べること。おひたし、温野菜などもいいでしょう。具だくさんの野菜スープもお勧めです。自宅で食べれば、ポン酢、マヨネーズ、ごま油、スパイスなど味のアレンジもできて楽しいですよ。
あと、活性酸素を減らし、ガンや成人病予防に効果的なのは、精製していない食べ物を食べることです。玄米、黒砂糖、全粒粉のパンなど「白くない食材」には食物繊維やミネラルが豊富。不足しがちな栄養素を補ってくれます。熟年世代は穀物の消費量が少ない年代です。ダイエットブームで炭水化物を敵視する風潮が続いていましたが、穀物は食物繊維が豊富で、大腸ガンの予防にも効果があるといわれています。また、油も排除方向にありましたが、紫蘇油、アマニ油、オリーブ油などは、健康効果が高いと注目を集めています。

体重ではなく、体脂肪を意識して健康管理を
食事と運動がアンチエイジングに効果的と伺いましたが、運動について教えてください。

世界中の医学界で「適度な運動はガンのリスクを低下させる」と言われています。でも、「シューズを買って、ウエアを買ってさあやるぞ!」と始めても、運動はなかなか続きません。そこで、提案したいのは、日常の行動をすべて「運動」と捉えて動くことです。「3階まではエレベーターを使わない」「すべての部屋に掃除機を毎日かける」「荷物の少ない買い物は自転車を使わない」など、ちょっと視点を変えて、運動してみることです。続けるうちに、基礎体力が身に付いて、本格的にウォーキングやジョギングにチャレンジしたくなるかもしれません。 日本は「体重が少なければよい」という体重神話がありますが、それは見直したいものです。なぜなら健康やアンチエイジングに重要なのは「体脂肪」だからです。中でも内臓脂肪は慢性的な不調や病気の原因になります。体重ではなく、体脂肪に注目して運動や健康管理をしていけば、病気を予防できる効果は期待できます。

次回は松岡さんに身体の内側の健康について語っていただきます。

アンチエイジングや未病(病気を未然に防ぐ)のために注目している臓器は腸。腸と健康・若さの密接な関係についてお話を伺います。
第3回へ

松岡 真理 Profile

フリーライター、エディター。佐賀県生まれ。 テレビ局、文化財団での勤務を経て独立。 1994年からフリーランスのライター兼エディターとなり、 現在、食材の機能性や医療などの健康記事の執筆を中心に活動している。 趣味はスキューバダイビング、登山、スキーなど。 また、実家が浄土真宗本願寺派の寺院のため、20歳の時に得度を受けて僧侶に。

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