生和寛さんの遊びに関するコラムサンクスデイズ・スタイルでは、さまざまなジャンルの達人たちが団塊世代の毎日をさらに輝かせるヒントをコラム形式でご紹介します。

生和寛・遊びコラム|サンクスデイズ・プラチナ

永遠の感謝を、プラチナに刻んで

Thanks Days Style:生 和寛 編集者・作家・モデル

気力、体力…あらゆる意味で若者を凌駕している団塊世代は、趣味を楽しむ黄金世代。そこで、「本物」を知る視点からその楽しさを解説します。

第1回 ワインは文化を楽しむもの

編集者として、モデルとしていつまでも輝き続けている生和寛さん。その「カッコいい生き方」で世代や性別を問わず多くのファンを魅了しています。その背景にあるのは、パートナーである奥様とともに人生や余暇を楽しんでいるから。今回は、生さんが愛好しているフランスワインの楽しみ方について、語っていただきます。

ワインはソムリエの20分の1の知識で100倍おいしくなる
ワインというと難しい印象があるのですが…
生さんのオフィスにあるコンパクトなワインセラー。
生さんのオフィスにある
コンパクトなワインセラー。

私自身、ワインに興味を持ったのは最近のこと。以前は、ソムリエのすすめるままに、料理とのマッチングがベストであるワインを選び、ウイットのある会話を楽しめればOKと思っていました。それが大間違いだった…と気がついたのは、フランス・ボルドー地方の世界遺産の街「サンテミリオン」に行ったとき。ここは、世界でもナンバーワンのワインの産地です。多くのシャトーを巡り、そのときのガイドが、「ワインは飲むものじゃない、集めるものなんだよ」と私につぶやいたのです。そのとき、「そうか、だから1本100万円もするワインがあるんだ!つまり、ワインは文化を楽しむ儀式なんだ」とひらめいたのです。つまり、ワインって相手の持つ教養の深さを知り、ワインそのものの歴史のみならず、文化を知る手段のひとつなんですよ。だって、世界中の宮中晩餐会でワインは飲まれていますし、その場でワインの銘柄と背景を知らないのは失礼に当たります。そのひらめきを得てから、その旅でガイドの話を熱心に聴き、歴史や葡萄の品種などの知識をおさえました。それを知らないで飲む味と、知って飲む味は数倍違いましたね。今からソムリエになるのは難しいけれど、その20分の1程度の知識で100倍おいしくなることを実感しました。

フランスワインは産地と葡萄の品種をまずおさえる
フランス産ワインだけで何万種類とあり、どのように覚えていけばいいのでしょうか

その前に、フランスワインの魅力についてお話します。フランスは、何百年もの長い時間をかけて、その土地に合う葡萄を品種改良して、土壌を作ってきた蓄積があるんですね。まさに、フランスワインは人間が心血を注いできた歴史そのものともいえます。ですから、まずワインの産地を押さえること。できればフランスの地図を見ながら確認するといいでしょう。 まず、覚えたいのは北からシャンパーニュ、バーガンディ、アルザス、ブルゴーニュ、ローン、ボルドーの6つの産地。そして、赤ワインを造る葡萄の品種である、カベルネ ソービニオン、メルロー、ピノノワール、ガメイの4種類を押さえ、その上でそれぞれの産地のざっくりとした歴史を知るだけで、ワインは何倍もおいしくなります。この味を作るまでに、何百年もの間、試行錯誤を重ねてきたんだ…という背景とともに味わうと、ワインの楽しさはグッと深くなり、広くなります。例えば、ボルドーでは、土壌に適した品種「メルロー」を作るために300年近く品種改良を繰り返していると、ガイドさんから聞きました。その飽くなき探究心に敬意を払いながら、「女王」と呼ばれる味わいを楽しむのは、ひとしおです。

葡萄の味がどんでん返し的に変わるのが魅力
ワインは「土地を味わう」飲み物ともいわれていますよね。

その年の天候、葡萄の生育状況などの様々な条件がダイレクトに現れるところがワインの面白いところ。ですから、同じ産地、同じ醸造家でも年によって味が変わっていることを体験したいものです。そして、ちょっと考えてみてください。ワインって葡萄の味が全くしませんよね。原料が葡萄なのに、葡萄の味が全くしない…この「どんでん返し的な味の変化」もワインの楽しさなんです。葡萄にはない味を識別するのも、ワインのすばらしさですね。ですから、産地、歴史、葡萄の品種、醸造家を知ると、どんどん集めたくなってしまうんです。まさに、サンテミリオンのガイドが言った、「ワインは集めるもの」だということを、ワインについて知れば知るほどわかってくるんですね。

ワインスクールで高級ワインの味を知る
たくさん味わいたいけれど、夫婦だとなかなか1本のワインを飲みきれないことが心配です。

ワインを知れば知るほど、多くのワインを試してみたくなります。そこで、お勧めなのは、ワインの知識を得られて、さらにそれを深めることができるワインスクール。ワインスクールというと、「難しい」「ソムリエになる気はない」「カッコつけすぎ…」と、様々な理由で(笑)、抵抗がある人もいると思いますが、とてもいい経験になりますよ。私自身、フランス旅行から帰ってきて、ワインスクールに通いました。体系化されたワインの知識をわかりやすく得られるだけでなく、自分ではとても買えない高級なワインを、授業の中で味わうことができたのです。なかなか手に入らない、様々な種類のヴィンテージワインを学びながら飲めるのは、ワインスクールならでは。授業料はワイン代でペイできちゃったんじゃないかな…なんて思っています。私はオフィスにワインセラーを置いています。仲間と定期的にワインの会を行って、知識を深め喜びを共有しています。

記念日にはワインを…
生さんは「ワインは教養や文化」とひらめいたとのことですが、ワインは人生の「記念」としても有効なアイテムですよね。
オフィスにはワイングラスのコレクションも。「リーデル」のものが多い。
オフィスにはワイングラスのコレクションも。
「リーデル」のものが多い。

結婚した年のワイン、子どもが生まれた年のワインなど、夫婦のメモリアルイヤーのワインを楽しむのも熟年世代ならではの喜びでしょう。夫婦で過ごしてきた歳月を、ワインに託して味わうのもなかなか素敵だと思います。ワインについて全く知らずに、熟成をかさねたヴィンテージワインをあけてしまうのはもったいない気がします。ある程度の知識があれば、歴史の重みとともに楽しめるのではないでしょうか。

ワインは世界の共通言語!
今、日本ではフランスに限らず、イタリア、カリフォルニアなど多くの産地のワインが飲まれています。

フランスワインを知ると、他の産地にも興味が広がります。知識を得れば得るほど、現地のシャトーに行って、その場で味わいたくなるはずです。まず、ボルドーのシャトーを巡り、その他のフランスの産地を巡り、イタリア、カリフォルニア、オーストラリアなどの産地でワインを楽しむのもいいでしょう。その土地の風に吹かれて、葡萄が育った土地の上に立ち、そこで作られたワインを飲むのは最高の喜びです。そして、ワインは世界の共通言語です。これは私の経験ですが、ワイン好き同士はすぐに通じ合い、喜びを分かち合うことができます。ですからワインを軸に世界中を旅してみるのもいいかもしれませんね。

次回は遊びの達人、生さんに熟年世代の「遊び」について語っていただきます。

年齢にとらわれることなく、さまざまな遊びに挑戦している生さんに、50歳、まさに熟年世代からはじめたサーフィンの魅力について伺います。

生 和寛 Profile

編集者・作家・モデル。長崎県生まれ。大学では探検部に所属し、卒業生で結成した「創作集団ぐるーぷ・ぱあめ」にて、企業PR誌、旅行誌を手がける。40才で独立、株式会社ラニングを設立し、ファッション誌・ライフスタイル誌を中心に活躍中。週末は八ヶ岳と伊豆にあるウイークエンドハウスに通い、そこを拠点にガーデニングや登山、サーフィン、シーカヤックを楽しんでいる。

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