勝谷誠彦さんの旅に関するコラムサンクスデイズ・スタイルでは、さまざまなジャンルの達人たちが団塊世代の毎日をさらに輝かせるヒントをコラム形式でご紹介します。

勝谷誠彦・旅コラム|サンクスデイズ・プラチナ

永遠の感謝を、プラチナに刻んで

Thanks Days Style:勝谷誠彦 コラムニスト・写真家・コメンテーター

長い時間をともに過ごし、人生のパートナーとしてともに歩んできた夫婦。だからこそ、同じ目線、視点で旅を楽しみたい…。そんな旅の楽しみ方を、コラムニスト・勝谷誠彦さんが紹介します

第1回 旅をすべき時代を終えてからの“旅”

政治、社会、経済について、鋭く多角的な視点から語る“闘うコラムニスト”勝谷誠彦さんは、実は旅の達人。日本の街の路地裏から、鉄道、麺、美しい風景、高級ホテル、要人などVIPのためのサービス、そして戦場まで、あらゆる「旅」を体験しています。そんな勝谷さんに、“旅とは何か”について、お話を伺います。

人生には旅をすべき時期がある
「人生は旅」と言えますが、勝谷さんにとっての旅とはなんですか?

私にとって旅とはもう終わってしまったものです。というと不思議に感じるかもしれませんが、人生には「旅をすべき時期」があるんです。私は学生時代からマスコミの世界に身を置き、文藝春秋に就職し、雑誌『週刊文春』に配属されました。キャリアをスタートしてからの20年はまさに旅の連続です。「旅をすべき時期」であった私のスケジュールを振り返ってみると、昨日までは戦場で取材をし、明日からは高級ホテルの撮影し、日本に帰ってきたら鉄道取材に出かける(笑)。まさに、旅から旅に移動するような日々を送っていました。これは私に限らず、多くのビジネスマンがそうだったと思います。団塊やポスト団塊の世代は、“会社や仕事にすべてを捧げる”というスタンスで生きてきた人が多いですから、赴任、出張、単身赴任などもすべて「旅」だと思います。今、振り返ってみると、それらの「旅」は、二度とない「時間」であり「場所」であったのではないでしょうか。

今こそ、「旅をしていた自分」に旅をする
人生は「旅」の積み重ねのような気がしますが、年齢を重ねた今ならではの「旅」を教えてください。

ご自身が、今振り返ってみて「あれは旅をしていた時代だったんだな…」とこれまでの人生を意識したら、今度はそこに行ってみるといいでしょう。現役で猛烈に仕事をしていたときに、住んでいた場所、旅した街に夫婦で行くと、埋もれていた記憶や思いが現れてくるはずです。風光明媚な場所に行って、名物に舌鼓を打つのも旅かもしれませんが、この「旅をしていた自分に旅をする」ことは、自分自身の人生を確認することにつながります。いいこともあり、苦労もあり、積み上げてきた歴史を夫婦で確認するのは、絆を深めることにもつながるでしょう。そして、若いときには見えなかったもの…例えば、そこが実は小説や歴史の舞台だったり…ということに気がつくと、ますます旅は深まっていくと思いますよ。目的地まで連れて行ってくれて、見たいもの食べたいものを食べさせてくれる旅行会社のパッケージツアーが人気です。批判するわけではありませんが、便利な反面、強制される部分が多いこの種のツアーでは得られない感動を味わってください。

世界地図、日本地図を買ってこよう
とはいえ人が薦める、すばらしい景色やおいしいものも魅力ですが…

私は、旅は準備をしているときが一番楽しいと思うんです。例えば、外国の世界遺産に行くとしましょう。パッケージツアーだと、日本からの航空券、現地までのバスなど移動手段が最短、最速、安全なものがプロの手によって準備されていて、そこに乗っかるだけでいい。でも、自分でチケットを手配し、鉄道やバスなど現地の人の交通手段でその世界遺産まで行くプランニングの過程で、その国の特徴が見えてきます。自分で行くとなると、鉄道の時間の正確さ、乗車マナーなどあらゆる方向から調べます。そういう知識を得てから行くと、感慨もひとしおだと思います。そんな楽しみを見逃してしまうのは、とてももったいないと感じますね。とはいえ、今まで仕事一筋だった人は、どこにどういったらわからないと思うでしょう。そこで、日本地図、世界地図を買ってきて、「ここに行ってみたいね」など夫婦や家族で話し合うといいですよ。世界の広さ、移動手段などを大枠で把握することができます。

理不尽なことを感じたら、とことん闘う
自分でプランニングした海外旅行に出かけるとき、やはり不安になります。旅のコツを教えてください。

日本人は世界中でいい意味でも、悪い意味でも“ききわけのいい民族”だと思われています。不満があっても「まあこれでいいか」と納得し、反論しないからです。それでは、多くの国でそこに付け込まれ、本来受けられるサービスを受けられなかったり、手に入れられるモノが得られなかったりします。旅で感じた理不尽な思いは後を引きますし、家族や夫婦の関係に何らかの影響を与えますから、何か不満を感じたら、すぐに闘うべきです。現地の言葉を知らなくても、世界各国で使える闘う言葉は「Why?」(なぜ)です。ホテルで、店で、レストランで納得行かないことがあったら「Why?」と言ってみてください。相手の態度は変わるはずです。それでも相手が引かなかったら、知っている単語を並べて伝え、それでも駄目なら日本語で怒ってみてください。「私が折れれば丸くおさまる」という気持ちでいては、損をするばかり。また、闘う姿を家族に見せると、「(お父さん、お母さん、夫、妻は)私のためにがんばっているんだ」と尊敬されます(笑)。

時間を見つけたら、旅が始まる
国内の旅を楽しむ方法も教えてください。

国内外に限らず、“ぽっかり空いた時間で行きたいところに行く”というのもひとつの旅の楽しみ方です。「1日空いたから、北陸に蟹を食べに行こう」「京都で寺めぐりをしよう」など、何もない時間が見つかったら、とりあえず飛行機や新幹線に乗って、どこかに行ってみる。すると気分転換になるし、「こんなに思い切ったことができたんだ!」という“旅への自信”につながります。私は、最近思いつきでボルネオに行ってきました。時間に追われる日本での生活からスパッとはなれて、大自然の中に身を置くのは、すばらしいリフレッシュになりました。こういうことができたのも、“旅の自信”の積み重ねがあったからかもしれません。

さらに旅を深めるために、読む名作とは…

教養を共有している夫婦が多い団塊世代。そこで、旅をもっと楽しむための読書の方法や、そこから広がる旅の極意についてお話を伺います。世界中を旅した勝谷さんならではの、お話をたっぷりお届けします。

勝谷 誠彦 Profile

コラムニスト、写真家、コメンテーター。兵庫県尼崎市出身。早稲田大学第一文学部卒業後、文藝春秋に入社。週刊文春、文藝春秋の記者を経てフリーランスに。旅行、グルメ、歴史、政治など多くのジャンルに造詣が深く、著書も多数。近著は『偽装国家 日本を覆う利権談合共産主義』、『彼岸まで』などがある。

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